期外収縮の例

 Bさんは50歳台の主婦です。特に病気らしい病気をしたことはありません。住民検診で心電図をとったところ期外収縮があると言われました。それまでは何の症状もありませんでしたが、最近、静かにしているときなどに一瞬胸の中でドキッとすることがあります。1日数回ぐらいでだんだん多くなるような気がするため調べてもらうことにしました。
 
 Bさんのような場合は、どんな不整脈がどのくらい出ているのかをまず調べる必要があります。そのためには24時間記録型心電図(ホルター心電図)が有効です。

 ホルター心電図の結果、Bさんは心室性期外収縮が1日2500回ほど出ていました。そのうちの10数回では症状が出ていました。超音波検査を含めていくつかの検査をしました。特に心配する必要はないと言われ様子を見ています。


☆ 期外収縮とは ☆ 

  期外収縮は規則正しい脈拍に時々混じってくる余計な心臓の収縮です。これが起こると人によっては心臓がひっくり返る、痛い、ドキンとするなどの症状を自覚することがあります。無症状の場合が多いようです。期外収縮がある場合、その種類、頻度、心臓病の有無などを調べることが大事です。心臓病のない方の期外収縮は多くの場合無害ですので、まず心臓疾患の有無を検査する必要があります。

■ 心房性期外収縮
  心房性期外収縮はごくありふれた不整脈です。成人で24時間心電図(ホルター心電図)を記録すると頻度に差はありますが年配の方であれば多数の人で心房性期外収縮が記録されます。 心疾患がな症状がなければ治療の必要はないでしょう。しかし、心房性期外収縮は心房細動の発症に関連することがあるので、この点に対する注意が必要です。

■ 心室性期外収縮
  心室性期外収縮もよく見られる不整脈ですが、心疾患を持つ方に心室性期外収縮が多発する場合は要注意です。また心室性期外収縮の連発は心室頻拍と言われる危険な不整脈に移行する可能性があります。ある程度以上の頻度で心室性期外収縮が認められる場合は心疾患の精査が必要です。