☆☆　動悸

　心臓の鼓動を感ずるのが動悸です。運動のあと胸がドキドキする感覚も動悸ですがこのようなものは病的ではありません。自然とおさまってゆき、さほど不快に感ずることはないでしょう。

　病的な動悸とは運動に関わりなく、または運動量と不釣合いなほどのドキドキ感です。突然始まり、突然終わる動悸は発作性頻拍症や発作性心房細動の可能性が高くなります。
　徐々におさまる形の動悸の多くは洞性頻拍です。原因はさまざまです、甲状腺機能亢進症（バセドウ病）や貧血、脱水、心不全の場合もあります。

　動悸には一瞬または数秒だけドキドキッとするものがあります。期外収縮と呼ばれる不整脈が原因です。仕事が重なってきつい時、寝不足、コーヒー/紅茶の飲みすぎ。アルコール飲み過ぎなどで多くなります。心臓に異常が無い場合の期外収縮の多くは無害ですので、心臓超音波検査などで心臓の状態を確認することが重要です。

　動悸の診断は動悸を感じたとき（感じているとき）の心電図を記録することが重要です。期外収縮など発作の持続時間が短い場合は携帯型の記録式心電計（ホルター心電図、イベントホルター心電計）を用いて記録します。何らかの心臓病があることが分かっている方の動悸は注意深く検討しなければなりません。

動悸は誰にでもある症状ですが心臓病や呼吸器疾患、内分泌疾患、血液疾患などが原因であることがありますので、症状が続く場合や激しくなるときには受診して下さい。